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20年ぶりの円安水準に
日米の金利差などから20年ぶりの円安水準に陥っておりまだまだ余談は許さない。通常、円安は輸出企業には歓迎すべきだが、グローバルに展開し、現地工場がある場合は恩恵は限定的となる。それよりエネルギー燃料、原材料など輸入に依存する日本にはコスト高を生み出し、価格値上げにより消費需要を冷え込ませる。お金が循環しない負のスパイラルに陥る心配がある。そうなれば企業活動には影響をもたらし、雇用環境は全般的には好転しない。黒字企業でも中高年を中心にリストラはすすめる一方、若手の有望人材争奪戦は激化の様相。先行き不透明な時代を乗り切るための世代交代に映る。会社改革を進め生き残りを模索する企業がある一方、コロナ融資返済負担というハンディを背負いながらまずは生き残りをはかる企業があるなど、二極化はじわじわと進んでいるものとみられる
経営破綻が深刻に!?
コロナ発生から3年目に入っている。これほど長期にわたり多くの業種に世界的に影響を与えた事象は記憶にない。故に初めての経験であり、対策には過去の経験則は通用しないのである。対応は手探りで行っているといえよう。会社は赤字では倒産しないが、キャッシュがなくなると経営破綻する。業績向上が予測不能な現在、固定費の多い大手企業までもが効果が現れる人員や事務所費などコスト削減に着手することが物語っている。特に従来より削減を限界値付近まで行っている中小企業には打ち手がなくなってくると結果として息切れ倒産となる。経営破綻数がコロナ発生以降、悪化を更新しており、今年度は新変異株により社会機能危機まで至っているため、人的リソース不安定化を進行し深刻度は増していくことになろう。日本版スクラップアンドビルドは現実のものとなっていく要素が整いつつある
人員削減もほどほどに
金融機関は近年店舗改革でIT化を積極的に推進しており、人員削減を進めている。人があえてやらないでいい定型の業務や専門的な知識を有するIT人材の一部までスリムにしようと躍起になっている。無駄なぜい肉を減らし、さらなる競争に備えたある意味前向きなリストラと言えるだろう。しかし、裏目に出る場合もある。大手金融機関のATM一次機能不全による大きな影響があったのは周知のとおりだが、実は原因の背景にIT化を進めるのに重要なIT人材まで6割削減していたことが判明した。人員削減は効果が即座に現れるため、他の打ち手がうまくいかなかったりなどすると、短期実績を問われることもあり、クセになるように手を出してしまう。そしてすぐに外注に業務を委託してしまう。また、内部IT人材にも人員削減で業務が増加し、考える余裕もなくなって想像力を発揮するより作業遂行に終われている不安も拭えない。これは多くの企業にも無関係ではないので、人員削減する際には影響などビジネスリスクを考え慎重な対策が求められる。コロナの終息が見えないなか人員削減以外の会社改革はますます必要性を増すものと予測している
大阪が緊急事態宣言に
周知のとおり、まん延防止以降もコロナ感染者は増加し、大阪が緊急事態宣言となる。今回はさらに強い行動制約などを受けることに。医療崩壊事態で滋賀県に援助要請まで行っている。自力では限界であり、既に入院待機や救急車受け入れ拒否が発生し、いまのままでは医療トリアージュは身近に現実化するかもしれないほど。関西はつながっており、近隣県は影響を受けるため、他人事ではないのだ。医療のみならず介護崩壊も現実におこれば、社会福祉事態が成り立たなくなる。日常の買い物以外、人流を止めなければ、特にビジネス人流まで範囲拡大し、被害が広がるとみられる。いまは経済より命優先で、国が休業補償する決断に注視される。ビジネス活動もどこまで踏み込むかがカギを握るが、今までにない痛みを伴う大きな決断にも注目が集まる。企業では戦術の変更も考えなければいけない。繰り返すが、緊急事態で状況が予測できないときは、中小企業では取引先状況が変わるため、長期的な戦略はなかなかたてにくいもので、財務余力も厳しこともありあまり時間をかけずスピード重視で、いまは短期的な戦術に力を入れるほうがいいように感じる。中小零細企業ではとにかく迅速に、うまくいかねば違う人から意見を募るのも方法のひとつかもしれない。インプットされていない限り、期待しているアウトプットはないものである
新規事業の悪戦苦闘が始まる
連日、企業の決算発表で過去最大赤字計上のニュースが流れる。製造、小売、飲食、観光などを筆頭に影響を受けていない産業を探すほうが困難であるくらい全産業に影響が及んでいる。中でも、観光産業、特に旅行業の存続が危うい。収益の柱である団体旅行が成り立たない。職場旅行・修学旅行・招待旅行・報奨旅行・イベントに伴う旅行などは大幅減、バス旅行・新婚旅行に代表される個人旅行も参加者からの中止延期が相次ぐ。外国の入国制限が解かれない限り、海外方面は旅程を組めない。かといって、国内も移動制限に向かっており、商品造成も苦心する旅行会社の立場も厳しい。旅行業界は、従来から幾度かの危機を乗り越えてきたが、国内海外ともに影響を受けることはなかった。今までなら、代替え方面を提案できたが、今回は代替国内キャンペーンに対する効果も限定的で、手の打ちようがない。経済復興には1.5年~3年ほど期間を要すると見られ、宿泊施設、交通手段、飲食店、観光施設なども減少する中、旅行を組み立てる素材が喪失していく由々しき問題なのである。よって、旅行業自体が産業として大幅にシュリンクしていくことが予測される。大手旅行会社が最近の決算発表で業績半減で海外の多数の支店を閉鎖し、国内旅行に注力することや新規事業としてそば屋、農業へ展開することをみれば、先行きの暗雲が読み取れる。農業とのシナジーでそば屋を展開するのであろうが、既存の同業が存在する中、レッドオーシャン戦略を選ばないといけないほどの事情があるのだろう。政府が推奨する業態転換がいかにハードルが高いかがわかる