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新規事業でアナロジー《類推能力》がなぜ重要か
先日類推能力について述べました。不透明な社会では重要性を増すものと見ています。ひらめきや思いつきのような偶然ではなく、過去の様々な失敗経験の蓄積からみちびかれた予測の類と考え、成功に事業を導いた人に備わっているように感じます。公開されないため定かではありませんが、優秀な企業コンサルタントが入っている大企業の新規事業プロジェクトでも成功確率は1割未満と聞きます。ビジネスモデルが素晴らしくても、シナリオ通りにはいきません。軌道修正は必須です。そこで、失敗経験が蓄積している人はあえて失敗しそうなみちを選ばず、選択肢を狭めたり、新たな途を捜します。そのときに類推能力が発揮する。座学による理論はいつの時代でも通用する普遍的なものではなく、過去の時代の成功法則があり時代にマッチしないこともあります。またそういうことを利用したものは具体的な行動の戦術に落とすと現代では意外とありきたりだったりすることがある。総論賛成各論反対が多いのも原因のひとつかもしれません。類推能力は長年の失敗経験の蓄積で座学では学べなく、AIにも簡単には置き換わらないでしょう。知識が多く具体的経験の少ない新人士業の一部の方は今後は多難で行政での相談員など限定的な活躍にとどまるのではと危惧しております。知識や作業はAI、クリエイティブは人間が担う時代がやってくるのではないか。最近、後発の金融機関や保証協会においても融資のみならず、アフターフォローとして現場に立ち入る伴奏型支援をうたっていますが、それが主流になっていくのではないかと思います。先人の考えた理屈をもとにした資料で単なるアドバイザーではなく、現場改革で一緒に汗をかき実績をあげるのが経営支援のスタンダードになっていき、経営コンサルティング業界がやや変わるかもしれません。『取引先の状況に依存傾向がある中小企業であればあるほど自らがコントロールできないため戦略は単なる仮説や後付けにすぎずあまり価値を持たず、具体的行動を示し数種類の戦術を結果が出るまで実施できることが理想の経営支援である』という時代がくるかもしれません。財務からIT、生産管理にM&A、事業承継と浅く広く行う「なんでも屋」コンサルタントは淘汰され、特に規模が小さいところはますます専門分野が必要となるでしょう